2023.01.31

【スタッフ愛車紹介】ドイツ車の良さを教えてくれた、亡き父との思い出の1台【メルセデス・ベンツSL500】

お店・スタッフ

メカニックスタッフ 宮園輸入車販売 認定中古車

メルセデス・ベンツのメカニックがプライベートで乗っているクルマは何か、ちょっと気になりませんか? なにせメルセデスに精通したプロ中のプロの愛車ですからね。並々ならぬこだわりがあるに違いない。というわけで始めるのが宮園輸入車販売のスタッフ愛車紹介シリーズ。第1回はメルセデス・ベンツ石神井から、往年のフラッグシップスポーツカーSL500です。

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いつかはオープンカーに乗ってみたいものの、沖縄だと暑すぎるんじゃないかと取り越し苦労している熊山です。

 

今回から新たに始める連載が、宮園輸入車販売のスタッフ愛車紹介シリーズ。なにせメルセデスに精通したプロ中のプロたち、その愛車ですからね。みなさんも気になるのではないでしょうか? 記念すべき第1回は石神井店から、副店長であり、整備やカスタマイズ、修理をうけもつサービス部門のトップ・木元公二さんのメルセデス・ベンツSL500です。

▲サービスマネージャーの木元公二さん。ハタチからメカニック一筋39年のベテランです

SL500といえば、メルセデスを代表するフラッグシップのオープン2シーター。世代は異なりますが、往年のスター・石原裕次郎の愛車としても有名です。木元さんが乗られているは4代目にあたるR129型。1994年式の5000cc・V8モデルです。

▲ワイド&ローで存在感たっぷりのSL500。この時代、グリルの巨大スリーポインテッドスターはスポーツモデルにだけ許された特別なエンブレムでした

SL500の前に、まずは木元さんの経歴から。宮園輸入車販売に入社されたのが13年前の2013年だとか。

 

「シュテルンとの合併が宮園に入ったきっかけですね。もともとハタチからトヨタで1年ほどメカニックをやっていて、その後BMWで7年、ローバーで2ヶ月(笑)。それから、レース活動を1年やって、その後はシュテルン〜宮園とずっとメルセデスですね」

▲コーナーポールにもスリーポインテッドスター

レースもされていたんですね。

 

「この業界に入ったのもF1好きが高じてレースをはじめたのがきっかけでした。最初はレーシングカートで、以降はスズキ・カルタスとかトヨタ・スターレットなどのワンメイクでつくばや富士を走ってました。でも、本当にレースはお金がめちゃくちゃかかるんです。なので20代最後の年に思いっきりレース活動をやって、それで見切りを付けて今に至るという感じです」

 

キャリアスタートこそ国産車ですけど、ずっとドイツ車一筋なのは?

 

「あるとき親父がBMWを買ってきたんですよね。それに乗るとボディ剛性から足回りまでフィーリングがまるで違って、『話には聞いてたけどやっぱりドイツ車ってすごいんだな』と感心したのがきっかけです」

 

ちなみに愛車遍歴は?

 

「最初はホンダ・シビックに乗っていて、それからスバル・レガシィを2台、以降はずっとメルセデスで210型→211型→213型を2台、今も212型とずっとステーションワゴンを乗り継いできました。ワゴンなのはゴルフに行くから荷室が広いほうがいいなと思ってです」

 

その流れでいくとオープン2シーターのSL500は唐突です。

▲冬場はハードトップにしているSL500。久しぶりに御開帳。なお、バックモニターもないため後方視界は最悪だとか

「SLはドイツ車好き、メルセデス好きの憧れのドリームカーですよね。でも到底手は出せません。しかしあるとき、1990年代の後半ですかね、お客さまがSL500で大きな事故を起こされて、でも保険に入っていなかったので修理代が300万円ほどかかるとなって廃車にされるところをぼくが直して乗ることにしたんです」

▲R処理が美しいワイドフェンダーが特にお気に入り、と木元さん

おお、メカニックならではの出会いですね。その後は?

 

「なんだかんだと20年以上、走行距離も10万kmを超えました。やっぱりV8エンジンによる圧倒的なトルク感と、良くも悪くも重厚な操作感と乗り心地が持ち味ですね。2シーターですけどラゲッジは意外と広くてゴルフバッグ2個詰めるから2人ならゴルフにもいけます。何より嬉しかったのはドイツ車の素晴らしさを教えてくれた親父を乗せられたことかもしれません」

 

最高の親孝行ですね。でもそろそろ30年落ちの中古車でしかも修復歴車、トラブルは?

▲左ハンドル

「何度エンコしてレッカーのお世話になったことかしれません(笑)。燃費も5km/Lと悪いし、ガソリンタンクも大きいので満タンにすると毎回1万円が飛びます。5000ccだから自動車税もめちゃくちゃ高額。普段はW212をメインに使っているし、そろそろ処分してもいいかなって思うんですけど、亡くなった親父との思い出が詰まってるんで、なかば意地で維持してるところはありますね」

 

それはいい話…。クルマというのは言ってしまえば人を快適に移動させる道具なんですけども、それだけじゃなく愛着が染み付いたり魂が宿ったりするパートナーや家族的な存在だったりしますものね。こうした感覚がわかるメカニックであり、サービスマネージャーであるからこそ、お客さまそれぞれの愛車を大事に扱ってくれそうでもあります。木元さん、本日はありがとうございました!

▲おまけでハードトップを脱着するブログスタッフ。腰をやったばかりの大森は「キツかった」と悲鳴をあげていました

(熊山准)

●プロフィール
熊山准(くまやま・じゅん)
中古車情報誌『カーセンサー』(リクルート)編集部を経て、ライターとして独立。クルマに限らずおもちゃ、家電、ガジェットなどモノ全般が大好物。現在はライフワークの夕焼けハントが嵩じて東京と沖縄で二拠点生活中。いま欲しいメルセデス車はAクラスセダン

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