2022.07.20

世界的な供給不足のなかメルセデス・ベンツで最も納期が長いのは◯◯だ!

クルマ

新型車

半導体不足や部品不足にくわえ、コロナ明けによる需要急増が重なり、世界的に新車のデリバリーが滞っている自動車市場。メルセデス・ベンツもご多分にもれず、モデルによっては納期が数年待ちとも囁かれています。では、具体的にどのモデルがどれくらい待たされるのか? 宮園輸入車販売のベテランセールススタッフに直撃しました。

 

──────────────────

さいきんやたらとAクラスのミニカーのカラバリを買いまくっている熊山です。

 

ミニカーなら納期は即日ですが、本物の新車となれば話は別。なにせ半導体不足や部品不足(特にウクライナ戦争によるワイヤーハーネス不足が深刻なようです)にくわえ、コロナ明けによる需要急増が重なり、自動車市場は世界的な新車の納期遅延におちいっているのです。他社ですが、トヨタの新型ランドクルーザーの納期は4年とも5年とも報道されているのはみなさんも知るところでしょう。

 

では、メルセデス・ベンツの各モデルの納期はどうなっているのか。

 

宮園輸入車販売でセールス一筋30年以上、ベテラン営業マンの芦沢隆弘さんにうかがいました。ズバリ、もっとも長い納期のモデルはなんですか?

 

「ダントツでGクラスですね。だいたい4年待ちです」

 

ええ、そんなに! いま注文しても受け取れるのは2026年。FIFAワールドカップアメリカ/カナダ/メキシコ大会の年じゃないですか。ちなみに60年に一度の丙午(ひのえうま)。

 

話がそれました。とにかくそれだけ先の話だってことですね。どうしてGクラスだけそんなに納期が長いんですか?

 

「これは私も実際に工場を視察したんですが、Gクラスってほとんど手作りなんです。その生産を手がけているのがオーストリアのマグナ・シュタイナー社で、ここの1日の生産能力が当時で25台。今はもう少し向上しているかもしれませんが、がんばっても月産1000台いくかどうか。それで世界中の乗用車需要と、他にも軍事用のオーダーもさばいているわけですから、どうしたって4年くらいはかかっちゃうんですよ」

 

なるほど。でも、例えば待っているあいだにキャンセルが出たりして、納期が早まったりすることってないんでしょうか?

 

「そんなケースもなくはないですが、すでに順番待ちの方がたくさんいらっしゃるので不公平のないように配車したとして、どんなにラッキーでも最低1〜2年は待ちますね。逆に納期が長引いてしまうのは特別な内装、特にレザーを使ったものは遅くなる傾向です」

 

ともあれ新車で欲しい人は予約することから始めなくちゃいけないわけですね。予約金とか必要なんでしょうか。

 

「他社では必要なところもあるみたいですが、宮園輸入車販売では予約金は取っていません」

 

では、次に納期が長いのは?

 

「これは同率2位で、小型SUVのGLAとGLBです。どちらも1年から1年半はお待ちいただく感じですね。世界的なSUV需要にくわえて、特にGLBなどは価格帯がリーズナブルで取り回しがよく7人乗れるとあってファミリー層に人気です。ただ、半導体不足による仕様変更で現状のA/Bクラスにはパワーシートが付かなくなったので、予約していたけどパワーシートがないならキャンセルという方がたまにいらっしゃいます。なので、それでもいいという方は納期がぐっと早まる可能性はありますね」

 

なかなかシビれる選択を迫られますね。では第3位は?

 

「3位はGLEです。納期は8ヶ月から1年ていど。他のモデルは似たり寄ったりです。ただ、モデルチェンジ間近のEクラスやGLCの在庫はあまりなく、納期以前に注文できないケースがありますね」

 

やはりクロカンやSUVが人気なんですねえ。逆に即納できるクルマには何があるんでしょうか?

 

「SクラスとCクラスのセダンはどうにかなります」

 

なるほど。いずれにせよ世界的な新車不足はここ日本のディーラーも無関係ではなかったということですね。くり返しますが、欲しい新車があるならとりあえず予約しなければ始まらないわけでして、まずは宮園輸入車販売のメルセデス・ベンツディーラーへGOです。

 

(熊山准)

  • プロフィール

熊山准(くまやま・じゅん)

中古車情報誌『カーセンサー』(リクルート)編集部を経て、ライターとして独立。クルマに限らずおもちゃ、家電、ガジェットなどモノ全般が大好物。現在はライフワークの夕焼けハントが嵩じて東京と沖縄で二拠点生活中。いま欲しいメルセデス車はAクラスセダン

関連記事その他の記事