2025.10.16

愛車に安心して乗れる…メルセデス・ベンツの盗難対策とは

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駐車場に行ったら、そこにあるはずのクルマがない…。ホイールが4本とも外されていた…。ガラスが割られ車内にあったものが盗まれていた…等々。ピーク時に比べると減少傾向にあるとはいえ、車両盗難やいたずらはオーナーにとって深刻な問題。そこで今回は、メルセデス・ベンツにはどのような盗難対策が施されているかをご紹介します。

 

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車両盗難対策をすり抜けてくる犯人たち

過去に車両盗難“未遂”の被害に遭ったことがある高橋です。

 

当時はマンションの半地下にある駐車場を利用していたのですが、ある日、助手席側のキーシリンダーがほじくられて壊れていることに気づきました。

 

驚いて警察に連絡すると、同じ駐車場で数台、さらに隣にある青空駐車場でも同様の被害届が出ているとのこと。幸か不幸かクルマは無事でしたが、キーシリンダーをガチャガチャやられた時にドアパネルも歪んでしまったため、かなりの修理費用がかかりました。

 

▲警察庁生活安全企画課「自動車盗難等の発生状況等について」(令和7年3月)より

上のグラフは警察庁が発表している自動車盗の認知・検挙件数・検挙人員の推移です。令和2年以降はほぼ横ばいから微増している状態。平成の頃に比べて認知件数が大幅に減少しているのは、多くのクルマに盗難防止対策機能が搭載されたからでしょう。

 

一方で実行犯は盗難防止対策をすり抜ける方法で犯行に及ぶといいます。また、警察庁によると、自動車盗難の実態として以下の内容を発表しています。

 

・犯罪組織が犯行に関与

・ヤード等で不正に解体

・海外へ不正に輸出

・他の車両と合体させて販売・流通

・犯罪組織の資金源

・盗んだナンバープレートを他の犯罪に利用

 

車種別の盗難台数を見てみると、日本はもちろん海外でも人気が高いモデルが並びます。被害に遭った車両は、おおむね4台に3台が「キーが車内にない状態」だったと言いますから、キーがなくても盗むことができることを意味します。

 

千葉県警のウェブサイトによると、スマートキーから発信される微弱な電波を特殊な機器を使用し、クルマのそばにいる共犯者に電波を増幅して中継して解錠・エンジン始動させて盗む「リレーアタック」や、クルマの配線に専用端末を直接接続してシステムに侵入してドアを解錠し、エンジンを始動させる「CANインベーダー」などが犯行手口として挙げられると言います。

リレーアタックから守るキーレスゴー

▲メルセデス・ベンツのキーレスゴーには使用後数分で電波の発信をストップしたり、信号を暗号化する機能が備わる

実は警察庁が発表している「令和7年上半期における車名別盗難台数の状況」の中にはメルセデス・ベンツの車種は掲載されていません。国産車と輸入車では年間販売台数に差があるとはいえ、海外でも人気の高い高級車なので車両盗難のターゲットになりやすそうですが…。メルセデス・ベンツではどのような車両盗難対策をしているのかを紹介します。

 

まず注目したいのが、メルセデス・ベンツの「キーレスゴー」。リモコンキーを所持しているだけでドアの解施錠やエンジン始動ができる便利な機能です。今のクルマはキーレスゴーをはじめとするスマートキーが主流になっていますが、スマートキーは前述したリレーアタックの標的になってしまいます。

 

メルセデス・ベンツのキーレスゴーは、使用後数分経過すると電波を発しなくなる仕組みになっています。また、発信する信号も暗号化されているので、リレーアタックの被害に遭うリスクを大幅に減らしているのです。さらに、キーレスゴーにはIDが照合されないとエンジンが始動しないイモビライザーも搭載されています。

▲離れた場所からドアの解施錠ができる「リモートドアロック&アンロック」(メルセデス・ベンツ日本HPより)

長年クルマに乗っていると、クルマから離れた後に「あれ、キーをロックしたっけ?」と心配になった経験をしたことは一度や二度はあるはず。思い過ごしならいいのですが、万が一本当にロックをし忘れていたら、車上荒らしなどのリスクが高まります。自宅の駐車場などすぐに戻れる場所にクルマがあるならまだしも、遠方でロックしていないことに気づいたら、クルマに戻ることもできません。

 

そんな時に役立つのがリモートサービスパッケージの機能のひとつである「リモートドアロック&アンロック」です。これはスマートフォンのアプリからクルマのドアロック状況を確認して、もしロックされていなかったらリモート操作でドアロックできる機能です。日本はもちろん、海外にいても操作できるので、旅行や出張時も安心です。

 

そして万が一、愛車が盗難されてしまった場合は、リモートサービスパッケージの機能のひとつである「車両位置検索」が役立ちます。これはGPS経由で車両の現在の座標をアプリに転送するもの。「クルマが今いる場所」が分かるので、車両盗難時にも役立ちます。

 

リモートパッケージサービスについて詳しくはこちらの記事もあわせてご覧ください。

 

車両盗難は、いつ、どこで被害に遭うかわからないもの。そしてもし被害に遭ってしまったら莫大な損失が発生するだけでなく、警察や保険会社とのやり取りなど面倒な手続きを行わなければなりません。だからこそ被害に遭わないためのガードをしっかりしておくことが大切。メルセデス・ベンツのクルマには、そのガードが備わっているので安心ですね。

 

(高橋 満)

高橋満(たかはし・みつる)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経て1999年にエディター/ライターとして独立し、自動車、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。最近はゴルフに興味が出てきていて(まだデビュー前ですが)、Eクラスステーションワゴンのようなラゲッジが広くて快適に移動できるクルマに興味津々。

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