2022.07.17

メルセデス・ベンツのディーラー試乗車で事故ったらどうなるの?

購入ステップ

セールススタッフ 試乗車

クルマを購入する際、なにはともあれ実車を自分の目で見て、できれば運転してみたいもの。ですが、高級車となるとディーラーに近寄るのはもちろん、試乗するのも緊張してしまいますよね。万が一、テストドライブ中に事故ってしまったらどうなるの? メルセデス・ベンツ中野のベテランセールススタッフにうかがいました。

 

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今まで大きな事故はないものの、小さな自損事故をしがちな熊山です。

 

さて、クルマを購入する際は、ひとまず実車を自分の目で確認し、できれば運転して乗り心地を確かめておきたいもの。とはいえ、ちょっと背伸びが必要な高級車となると販売店に行くのはもちろん、試乗だなんてビビってしまいますよね。万が一、テストドライブ中に事故ってしまったらどうなっちゃうのか? めちゃくちゃ高額な修理代を請求されるのか。それともおとがめなしなのか?

 

そこで、宮園輸入車販売で30年以上営業を担当している、メルセデス・ベンツ中野の芦沢隆弘さんを直撃しました。正直なところ、長年セールススタッフをやっていると、一度や二度くらい試乗車で大きな事故が起こっているのでは?

 

「それが私は経験がないんですよ。社全体を見ても大きな事故はなくて、ほとんどが低速でこすったり、ぶつけたりの軽度の自損事故ばかりです」

 

それは意外。お客さんも試乗車だと緊張感をもって運転しているんですかねえ。でももし、試乗車で事故ってしまったらどうなるんでしょうか?

 

「まず、その前に試乗車に乗られる前、必ずおこなっていることがありまして、それが運転免許証の提示と同意書の記入です。同意書には『交通ルールを守って危険運転をしないこと』『お客様の故意・過失による事故はお客様の責任となること』『試乗中はセールススタッフの指示に従ってもらうこと』などが記されています。これはどの自動車ディーラーでもほぼ同じですね」

 

▲試乗の前に運転免許証の提示と、同意書への記入が必要

つまり、事故を起こすとお客さんの負担で修理や賠償をおこなうということですか?

 

「そうなりますね。お客さまで加入されている自動車保険があればそちらを利用いただくのが基本です」

 

クルマを未所有の方は自動車保険にも入っていないでしょうから、さらに心して運転しないといけませんね。

 

「あくまで、これは原則です。何か事故が起こったら販売店の責任者がその状況や事情を考慮して、対応を判断することになります」

 

でも、御社と長年のお付き合いがあって、何台も乗り継いでこられているようなお客さんなら、試乗車をぶつけちゃっても気にしませんよね?

 

「答えにくい……。次にご試乗されるお客様のためにも大切に取り扱っていただきたいとしか申し上げられません。ただ、当社では安全な試乗コースを設定していますし、セールススタッフが助手席で操作方法やコース取りなどをアテンドしますから安心してドライブしていただけます。大きな事故が起こらない原因理由は実はココにあるのかもしれません。」

 

以上、「メルセデス・ベンツの試乗車で事故ったらどうなるか?」の答えは、「基本的に自己責任」ということでした。ちなみに車検中や修理中の代車でも、試乗車と同じルールで運用されているとのこと。この記事は「心配しないで気軽に試乗してね!」と締めくくりたかったのですが、やはり公道でハンドルを握る以上、相応の緊張感や責任感が必要のようです。

 

(熊山准)

 

※2023年10月24日、一部加筆修正しました。

  • プロフィール

熊山准(くまやま・じゅん)

中古車情報誌『カーセンサー』(リクルート)編集部を経て、ライターとして独立。クルマに限らずおもちゃ、家電、ガジェットなどモノ全般が大好物。現在はライフワークの夕焼けハントが嵩じて東京と沖縄で二拠点生活中。いま欲しいメルセデス車はAクラスセダン

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