メルセデス・ベンツのグレード名は、車名のアルファベットと3ケタの数字で表されます。でもメルセデスAMGは数字が2ケタだし、メルセデス・マイバッハにいたっては数字がより大きくなります。そこでメルセデス・ベンツとは違う2つのブランドの車名の法則をおさらい。これがわかればクルマ選びで悩まなくてすむようになるはずですよ!
──────────────────
かつては排気量を表していた3ケタの数字
「ド文系」をいいわけに、数字に弱いことを公言している高橋です。
以前、本ブログでは「メルセデス・ベンツの車名の法則(https://www.miyazono-importedcars-sales.jp/blog/abces/)」をご紹介しました。
たとえばCクラスの車名(グレード名)を見ると、「C 200 アバンギャルド」「C 220 d アバンギャルド」「C 350 e スポーツ」と、車種を表すアルファベット1文字とグレードを表す3ケタの数字が付けられていますね。アルファベット1文字+数字3ケタ。これが基本の法則です。

▲メルセデス・ベンツのモデルは車種を表すアルファベットの後に排気量相当を示す3ケタの数字が付く。続くdはディーゼルの意味
メルセデス・ベンツのセダンやステーションワゴン、ハッチバックは、A、B、C、E、Sと、アルファベット一文字で車種が表現されています。
ちなみに1997年にエントリーモデルである初代Aクラスが発売される以前は、コンパクトなCクラス、ミドルサイズのEクラス、ラグジュアリーなSクラスが用意されていました。Cクラスは「コンパクト(Compact)」、Eクラスは「燃料噴射(Einspritzung)」、Sクラスは「特別なクラス(Sonderklasse)」に由来すると言われています。AクラスとBクラスは、「Cより小さい」ことからAとBが用いられました。
続く3ケタの数字は、もともと「エンジンの排気量」を表していました。180なら「約1800ccのエンジンを搭載」という感じです。でも2000代後半頃からターボを搭載してエンジンをダウンサイジングする流れがあり、現在では必ずしも数字と排気量が一致せず「●cc相当のパワーがある」という意味になっています。パッと見で排気量はわからなくなりましたが、基本的には3ケタの数字が大きいほどパワフルなエンジンが搭載されていると考えておけば大丈夫。
セダンやステーションワゴン、ハッチバック以外の車種の場合は、ボディの大きさを表すA、B、C、E、Sの前に、SUVを表す「GL」、クーペを表す「CL」、EVを表す「EQ」といったアルファベットが付くため3文字に。続く3ケタの数字は同様に「●cc相当のパワーがある」ことを表します。
メルセデスAMGはアルファベットと2ケタの数字で表記

▲メルセデスAMGは車種を表すアルファベットの後に2ケタの数字が続く
ではメルセデス・ベンツのモータースポーツブランドであるAMGの名を冠した「メルセデスAMG」のモデルの車名・グレード名はどうなっているのでしょうか。
車名を表すA、B、C、E、Sの法則は変わりませんが、グレード名を見ると、数字は3ケタではなく2ケタで表されています。
2025年3月現在、メルセデスAMGのモデルで使われている数字は以下の通り。
63→Cクラス、Sクラス、GLC、GLE、GLS、Gクラス、GTクーペ、GT 4ドアクーペ、SL
53→Eクラス、EQE、GLE、CLE、GT 4ドアクーペ
45→Aクラスハッチバック、GLA、CLA
43→Cクラス、GLC、GTクーペ、GT 4ドアクーペ、SL
35→Aクラスハッチバック、Aクラスセダン、GLA、GLB、CLA
また、EQSでは「450+」という数字が使われています。
この表をよくご覧になると、数字には「35→45」「43→63」の関係があることに気づくはずです。メルセデスAMGのグレードが複数用意される車種では、AMGのエントリーモデルが小さい数字、AMGのトップモデルが大きな数字となるのです。ただし、Aクラスセダンは35のみ、Eクラスは53のみの設定で、GLE(クーペを含む)は53と63、GT 4ドアクーペは43と63に加えて53もラインナップしています。
AMGが「メルセデスAMG」というメルセデス・ベンツのスポーツブランドになる前は、「AMG」という独立チューナーとして各クラスのハイパフォーマンスモデルを生産していました。その時代は、2ケタの数字が排気量を表していました。

▲メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンスクーペには4L V8ツインスクロールターボとエレクトリック・ドライブ・ユニットが組み合わされる
しかしメルセデスAMGとなってからは、ターボによるダウンサイジングや電動化が進み、必ずしも数字=排気量ではなくなっています。それでも2ケタの数字が大きいモデルは、怒涛の加速性能や圧倒的なスポーツ性を堪能できるハイパフォーマンスモデルであることに変わりはありません。
例えばC 63 S Eパフォーマンスには、最高出力350kW(476ps)を発揮する2L直4ターボと最高出力150kWを発揮するモーターを組み合わせたPHEVシステムが搭載され、システム出力500kW(680ps)を発揮します。また、S 63 Eパフォーマンスには最高出力450kW(612ps)を発揮する4L V8ターボと最高出力140kWを発揮するモーターを組み合わせたPHEVシステムが搭載され、システム出力590kW(802ps)を発揮します。
メルセデス・マイバッハはアルファベットと3ケタの数字

▲メルセデス・マイバッハはメルセデス・ベンツ同様に、車種を表すアルファベットと排気量相当を表す3ケタの数字で構成
では、メルセデス・ベンツのもうひとつのブランドである「メルセデス・マイバッハ」のグレード名にはどのような法則があるのでしょうか。
マイバッハが初めて日本に導入された2002年には、「57」と「62」という2つのグレードが用意されました。この数字は全長を表していて、62がロングホイールベースモデルになっていました。
メルセデス・マイバッハとあらためた2015年以降は、メルセデス・ベンツと同じようにアルファベットと3ケタの数字でグレードが表記されるようになります。3ケタの数字はその排気量に相当するエンジンを積んでいるという意味。メルセデス・マイバッハ S 580は4L V8ターボを搭載し、S 680は6L V12ターボを搭載しています。
メルセデス・ベンツ、メルセデスAMG、メルセデス・マイバッハ。どれもグレード名の法則を知れば、自分にはどのグレードが合っているかが分かりやすくなるはず。もし分からなくなってしまっても、セールスマンがしっかりサポートさせていただきます。みなさまのご来店をお待ちしております。
(高橋満)
高橋満(たかはし・みつる)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経て1999年にエディター/ライターとして独立し、自動車、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。最近はゴルフに興味が出てきていて(まだデビュー前ですが)、Eクラスステーションワゴンのようなラゲッジが広くて快適に移動できるクルマに興味津々。
関連記事
その他の記事
記事を検索
カテゴリーから探す
-
車種、モデル
-
購入ガイド
-
パーツ・アクセサリー
-
カーライフ
-
イベント・雑学
タグから探す
- EV9
- Q&A4
- アウトドア・キャンプ2
- お役立ち13
- カーナビ1
- カー用品1
- カブリオレ1
- カルチャー1
- グルメ12
- コーティング1
- コラボ3
- コレクション6
- スポーツ2
- セールススタッフ4
- タイヤ1
- ドライブ12
- トレンド11
- バッテリー2
- ファイナンスプラン2
- メカニックスタッフ3
- メルセデスミー2
- モータースポーツ2
- リモコンキー1
- レンタカー1
- 中野9
- 中野サーティファイドカーセンター3
- 保証4
- 保証プラス3
- 保険2
- 冬対策・雪対策2
- 名車名鑑2
- 夏対策1
- 宮園輸入車販売7
- 愛車1
- 所沢BRセンター1
- 新型車13
- 来店予約2
- 武蔵野2
- 歴史1
- 残価設定ローン1
- 点検整備1
- 石神井4
- 純正部品1
- 西新宿7
- 西東京7
- 西東京サーティファイドカーセンター4
- 試乗車3
- 認定中古車16
- 豊島サービスセンター3
- 購入相談3
- 車検1
- 雑学12