2025.05.29

実用性と走りの良さを両立したSUV”GLC”ってどんなモデル?

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日本自動車輸入組合(JAIA)の統計によると、2024年1月〜12月でもっとも売れたメルセデス・ベンツはGLC(7047台)で、全輸入車で2位の登録台数でした。ただ、1位は車種=ブランド全体の数字になるため、単一車種で見るとGLCがもっとも売れた輸入車であり、もっとも売れたインポートSUVと言えるかもしれません。そんなGLCの人気の秘密に迫ります!

 

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広いリアシートがミドルサイズSUVの魅力

 

かつて全幅が1880mmあるミドルサイズSUVに乗っていたことがある高橋です。

 

GLKの後継モデルとして2016年2月に日本導入されたGLCは、2023年3月にフルモデルチェンジを実施。2代目へと進化しました。

▲大人3人でもゆとりをもって座れる広さが確保されている

全長4725mm×全幅1890mm×全高1635mm。サイズ的にはミドルクラスに分類されます。それでも室内空間にはかなりゆとりがあり、たとえば5人で出かける時でもリアシートに大人が3人並んでも余裕を持って座ることができます。

 

もちろんコンパクトクラスでも5人乗車できますが、「大人が余裕を持って」とはいかないので、これができるのはGLCならでは!

 

もちろんラゲッジルームも広々。リアシートを使用した状態でのラゲッジルーム容量は620L、リアシートをすべて格納すると1680Lという広大なスペースが現れます(いずれもVDA方式)。

▲スクエアで使いやすいGLCのラゲッジルーム

メルセデス・ベンツのSUVに興味を持っている方にはゴルファーも多いはず。以前本ブログでGLBにゴルフバッグが積めるかをテストした記事では、横積みするためにはウッドを抜く必要があることがわかりました(2列目シートを格納すれば縦に積むことができます)。

GLCならリアシートを倒さずにドライバーを入れた状態のゴルフバッグを3つ積むことができるのです。

GLCの最大の魅力は上品なデザイン

▲ドアパネル下部にある最小限のキャラクターラインで、抑揚を表現したサイドビュー

実用性もGLCの魅力ですが、多くのオーナーはデザインに惹かれてGLCを選んでいます。昨今のSUVは力強さを強調するあまり、押し出しが強すぎるものが多いように感じます。GLCはSUVらしい力強さを打ち出しながらも、これみよがしな押し出し感を控えめにしていることで、どの角度から見ても上品な雰囲気を漂わせています。

 

これはメルセデス・ベンツのデザイン基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」のなせる技。とくにそれを感じさせるのがボディサイドのデザインです。SUVはサイドの面が広いため、まっ平らだとどうしても間延びした雰囲気になってしまいます。

 

RVという言葉が主流だった1980〜90年代のSUVが(あるいはコンパクトカーでも)ボディサイドに大きなデカールを貼ったり、ボディサイドを2トーンにしたりしていたのは、間延び感を打ち消すため。現代のクルマでも大型のものはボディサイドに複数のキャラクターラインを入れて表情を作っています。

 

GLCのサイドビューは面で陰影を生み出しています。これによりボリューム感がありつつも彫刻のような緊張感とプレミアムモデルらしいエレガントなイメージに仕立てられているのです。

▲標準仕様(左)とAMGライン(右)のフロントデザイン

フロントマスクも精悍さが盛り込まれています。とりわけAMGラインを選択するとグリルがスターパターンになります。

 

もっと押し出し感が欲しい人にはメルセデスAMG GLCがおすすめ。AMG専用グリルが装着されることで、スポーティで力強いイメージが強調されます。

新しいアンビエントライトを採用

▲翼を広げたイメージのインテリア。レザーエクスクルーシブパッケージとAMGレザーエクスクルーシブパッケージ仕様のインテリアトリムはストライプが入ったブラックオープンポアウッド(写真)になる

GLCのインテリアは上下2段に分かれていて、上部は翼を広げたようなデザインとなっています。そこに取り付けられたエアアウトレットが航空機エンジンのような形になっているのはメルセデス・ベンツの特徴ですが、GLCはでは少しだけ横長になった新デザインが採用されました。インパネ下部のインテリアトリムは仕様により異なるデザインが採用されています。

 

そしてメルセデス・ベンツの人気装備であるアンビエントライトにも注目! GLCには改良型が装備され、単色の発光や色の連続変化ができるだけでなく、エアコンの温度設定に連動して青や赤に点灯したり、乗員を向か入れる際の演出も設定されました。

新グレード「Core」が登場!

▲GLCのお得な新グレード、Coreが登場

2025年3月にはGLCの新たなエントリーグレードとして、GLC 220 d 4MATIC Core(コア)が登場しました。

 

これまでのエントリーグレードだったGLC 220 d 4MATICの標準装備を見直して、走行性能やコアバリューはそのままに、価格を819万円に抑えたグレードです(GLC 220 d 4MATICは867万円)。

 

装備の見直しといっても快適装備や安全装備を削っているのではなく、ボディカラーを人気の3色に厳選し、オプションもAMGラインパッケージとパノラミックスライディングルーフの2種類に絞ることで価格を抑えているのが特徴です。

▲CoreのインテリアはブラックのレザーARTICOを設定。AMGラインパッケージはネバグレー/ブラックも設定される

安全運転支援システムであるレーダーセーフティパッケージやMBUXは標準装備され、GLCならではのオフロード性能もそのまま。夜間のドライブに安心感をもたらしてくれるデジタルライトも標準装備されています。

 

価格以上の価値でGLCライフをスタートできるGLC 220 d 4MATIC Core。ミドルサイズのSUVを欲しいと思っている人に本気でおすすめします!

(高橋満)

高橋満(たかはし・みつる)

 

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経て1999年にエディター/ライターとして独立し、自動車、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。最近はゴルフに興味が出てきていて(まだデビュー前ですが)、Eクラスステーションワゴンのようなラゲッジが広くて快適に移動できるクルマに興味津々。

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