かつてメルセデスAMGが、バイクメーカーとコラボしていたことがあるのはご存知でしょうか? もともとレース用エンジンの設計会社からスタートしたAMGにとって、モータースポーツは切っても切れない関係。F1やDTMなどトップカテゴリーのレースに関わるなかで生まれたのが、MotoGPで活躍するメーカーとのコラボレーションです。バイクファンには有名な話ですが、果たしてどんなバイクメーカーと協業したのか?
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メルセデス・ベンツファン以前にバイクファンの岩崎です。
かつてメルセデス-AMGがバイクメーカーとコラボしていたことがあるのはご存知でしょうか? もともとレース用エンジンの設計会社からスタートしたAMGにとって、モータースポーツとは切っても切れない関係。F1やDTMなどトップカテゴリーの四輪レースに関わるなかで生まれたのが、MotoGPで活躍するメーカーとの協業です。バイクファンには有名な話ですが、果たしてどんなバイクメーカーと手を組んだのでしょうか?
それがバイクファンにはおなじみの、ドゥカティ。
ドゥカティといえば2007年にケーシー・ストーナーがMotoGP世界チャンピオンを獲ったときに乗っていたイタリアのバイクメーカーです。
そのドゥカティとAMGが、2010年11月に共同マーケティング活動を目的とするパートナーシップを結びました。これにより、両社はモータースポーツを通してスポンサードとマーケティング活動をともに展開していくことになったのです。
実際MotoGPマシンのデスモセディチGP11(GPマシン)には、AMGロゴがあしらわれたのです! 当時の二輪ファンには衝撃的な出来事でした。
ドゥカティをMotoGP世界チャンピオンに導いたケーシー・ストーナーは、残念ながら2010年を最後にホンダへ移籍してしまいますが(AMGマシンに乗ってほしかったなあ)、翌年には、あのバレンティーノ・ロッシがドゥカティに移籍。当時7度の世界チャンピオンに輝いたレジェンドライダーが、AMGロゴ入りのマシンにまたがりMotoGPを戦うのです!
事実ロッシのゼッケン直下にはAMGロゴマークが!
ここ日本でもコラボマーケティングの一環として、メルセデス・ベンツディーラーでAMGとドゥカティを並べた展示をおこないました。
いちバイクファンとして当時を振り返ると、まさか自分の職場にドゥカティがやってくるとは!と驚いたものです。鮮烈なドゥカティの赤はいつにましても輝いて見え、とりわけレーサーレプリカモデル1198Sなどは、新車価格274万円のドリームバイクでしたので、仕事も手につかず何度もオフィスを抜け出しは見に行ったものでした。
AMGとドゥカティの蜜月は続き、2012年には特別仕様バイク「ディアベル AMG Special Edition」がデビュー。
同車は、ドゥカティのディアベルカーボンをベースにした上級仕様モデル。5ツインスポーツホイール、カーボン製サイドラジエーターカバー、AMGスタイル・スポーツエグゾーストシステム、アルカンターラメッシュレザー素材のAMGスタイル・スポーツシートなどが装備されていました。当然、随所にAMGロゴがレイアウト。
くわえてAMGマイスターのプレート付きエンジンと同じく、デスモドロミック・カムタイミングをハンドワークで精密調整した担当メカニックの名前が、エンジンケース左側に刻まれておりました。
しかしながら、このディアベル AMG Special Editionが発売された2012年4月に奇しくもアウディがドゥカティを買収。AMGとの2年半にわたるパートナーシップはあっけなく終了してしまったのです。ある意味、数奇なタイミングで販売されたレア車両ともいえるかもしれません。
それにしてもあのままAMGとドゥカティの関係が続きMotoGPを戦っていたら、今ごろAMGの最新テクノロジーが市販車両にも採用されていたかも……なんでことを夢想してしまういちバイクファンなのでした。
(岩崎光春)
- プロフィール
岩崎光春
中野、豊島、江古田、東伏見とお店を渡り歩いて35年、宮園のサービス部門に在籍しているリターンライダー。仕事もライディングも「ブレーキは早めに、スピードは控えめに!」をモットーとしています。(仕事のスピード感は大事ですね)
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