2025.12.18

Mercedes meデジタルプロダクトの初期化はなぜ必要?

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より快適そして便利にカーライフを送れるように、メルセデスのクルマには“Merceds me”と呼ばれるコネクテッドサービスが提供されています。このサービスを利用するためにはユーザーの個人情報を入力する必要があります。この作業をデジタルプロダクト初期設定と言います。今回はこのデジタルプロダクト初期設定を行うメリットとデメリットを確認してみました。

 

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最新のクルマには車検証以外にも個人情報が入っている

ライターの萩原です。

 

最近は、軽自動車でも導入されるようになり一般的になってきたネット接続サービス(コネクテッドサービス)。みなさんもご存じのとおり、近年メルセデス・ベンツでは「Merceds me」(以下、メルセデス・ミー)という独自のコネクテッドサービスを展開しています。今回はメルセデスが提供している「デジタルプロダクト」の設定方法とともに、なぜ初期設定や変更を行う必要があるのか、メルセデス・ベンツ中野セールススタッフの佐藤光佑さんに教えてもらいました。

▲今回お話をお聞きしたセールススタッフの佐藤光佑さん。「コネクテッドサービスは便利な反面、初期化などのケアが必要」話します

──まずデジタルプロダクトの初期設定というのは何をするのでしょうか。

 

佐藤さん(以下、佐藤):メルセデスのデジタルプロダクトは、クルマとお客様の使用しているスマートフォンをシームレスに連携し、独自開発したアプリでより快適なカーライフを送っていただくサービスです。このサービスを利用するために、メルセデス・IDを登録していただきます。

 

これが、メルセデスの提供するデジタルプロダクトの入口。メルセデス・ミーIDによりお客様のクルマを管理し、便利なデジタルプロダクトを利用していただけるようになるだけでなく、お客様にあわせたオススメの情報を受け取ることや、お客様自身のアカウント情報を管理・編集できるようになります

  

──つまりメルセデス・ミーIDを登録しないと、メルセデスが提供するデジタルプロダクトを利用できないということですね。

 

佐藤:おっしゃるとおりです。メルセデス・ミーというのは、メルセデス・ベンツが提供しているコネクテッドサービスの総称で、このメルセデス・ミーを利用するためには、メルセデス・ミーIDを設定する必要があります。メルセデス・IDでログインすると、スマートフォンでクルマを解錠・施錠できたりできるデジタルプロダクトを利用できるようになります。さらにユーザーの好みに応じた「メルセデス・ベンツアプリ」によってカスタマイズし利便性を向上することができる便利な機能です。

 

いろいろ用語が出てきましたので、ここでいったん整理しましょう。

 

・メルセデス・ミー→コネクテッドサービスの総称

・メルセデス・ID→ユーザー会員証

・デジタルプロダクト→クルマを快適・便利に使うための追加有料サービス

・メルセデス・ベンツアプリ→これらを操作・管理するスマホアプリ

 

──登録はいつ行うのでしょうか。また、手続きは簡単なのですか。

 

佐藤:登録はクルマの購入の際、必要な書類がそろったタイミングでおこないます。スマートフォンやタブレットがあれば、お客様だけでも登録は可能です。ただ、サービス内容のご説明などもありますので、基本的には一緒におこなっています。個人情報を登録する関係上、一体それが何に使われるのかをこちらがキチンと説明する必要があるんです。

 

あわせて、お客様IDやパスワードといった情報を我々が預かることはできませんので、お客様に必ずメモをお願いしております。

 

▲メルセデス・ミーを立ち上げるとディスプレイに表示される画面。ユーザー登録しておくと、様々な機能が利用できる。

──クルマと個人情報をリンクさせるとなると、クルマを手放した後に前ユーザーのデータがわかってしまったりしませんか。

 

佐藤:おっしゃるとおり、これまではクルマの個人情報というと車検証や整備記録簿ぐらいでした。しかし、コネクテッドサービスによって、クルマに各ユーザーの情報がひもづくようになりました。したがって、買い替えなどの際にはデータの初期化を行う必要がありますね。

 

──もし初期化しないとどのようなことが起きるのでしょうか。

 

佐藤:もし、お客様がメルセデス・ベンツを手放して、新車のメルセデス・ベンツを購入した場合、データの初期化をおこなっていないと2台とも所有していることになります。GPSでつながっていますので、手放したクルマの位置情報がわかってしまう…なんてことも起こります。

 

また、新しく購入されたお客様がエンジンをかけたときに全オーナーの情報が残っていると、その人の名前が出てしまうだけでなく、情報が漏洩するおそれもあります。

 

──なるほど。クルマの中にある個人情報が乗っている人だけでなく、登録しているスマートフォンで見られてしまうということですね。それは非常に怖いですね。このデータの初期化というのは、ユーザーでもおこなえるものなのですか。

 

佐藤:データの初期化は、我々のような正規ディーラーでしかおこなえません。実際、別の販売店で購入されたお客様から、整備のついでにデータの初期設定をお願いされることもありますね。

 

ちなみに、万が一の際に利用するSOSコールですが、ボタンを押した際にクルマのデータにひもづいているユーザーの名前が呼ばれますので、別の方の名前が呼ばれるとなると気分も良くないことですし、お客様に対してのホスピタリティに欠けてしまいます。

 

──クルマの情報をユーザーがスマートフォンで管理できるだけでなく、コールセンターなどでも共有していますから、データの初期化そして変更というのは非常に大切なことだと理解できました。

▲ユーザーが自由にデジタルプロダクトを追加し、カスタマイズできる。

クルマの買い換え時のデータの初期化はもちろんですが、スマートフォンの買い換えをした時でもアプリのIDとパスワードの切り替えは忘れないようにしたいもの。もし、メルセデス・ミーの設定などでご不明な点があれば、宮園輸入車販売のスタッフにご相談ください。

 

(萩原文博)

萩原文博(はぎはら・ふみひろ)

 

AJAJ会員。大学在学中から中古車情報誌の編集部にアルバイトで参加。卒業後は編集者として企画立案し、ページ製作を行う。2006年からフリーランスエディター/ライターとして独立。2015年からは、新車カタログ本製作を担当し年間200台以上の新車試乗・撮影を行っている。

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