2025.08.21

メルセデスブランド唯一のオープン4シーター、CLEカブリオレの魅力

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近年ステーションワゴン同様に輸入車の独壇場となっているのが4人乗りのオープンカーです。メルセデス・ベンツは2024年6月にブランド唯一のオープンカーであるCLEカブリオレを導入しました。このCLEカブリオレとは一体どのようなクルマなのかを紹介します。

 

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オープンエアを楽しむための快適装備が充実したラグジュアリーな1台

ライターの萩原です。

 

ハリウッド映画の主人公とヒロインが真っ青な空の下、オープンカーで絶景の中を駆け抜けるシーンを見て、オープンカーに憧れを抱いたという人も少なくはないでしょう。とはいえ、2シーターのオープンカーは国産車でもラインアップされていますが、4シーターとなると輸入車の独壇場となっています。

 

メルセデス・ベンツのオープンカーといえば──かつては、C、E、S各クラスにオープンカーのカブリオレが設定されていましたが──現在ラインアップされているのは、2024年6月に日本市場に導入されたCLEカブリオレのみです。他にもSLがあるじゃないかという声もあろうかと思いますが、現在SLはメルセデスAMGブランドとなっていますし、4シーターというよりは実質2シーター+2と言った方が適当。つまり、正真正銘のオープン4シーターは、CLEカブリオレに集約されていると言っても過言ではないのです。

▲CLEカブリオレ200スポーツのフロントスタイル

メルセデス・ベンツCLEカブリオレは、2024年3月に導入されたCLEクーペをベースとしたファッショナブルでエレガントな4人乗りのオープンカーです。

 

メルセデス・ベンツの2ドアクーペ伝統のロングホイールベース、ショートオーバーハング、ロングボンネットを採用したプロポーションは、メルセデスデザインの基本思想である「Sensual Purity(センシュアル・プリティ)」によって磨き上げられ、ダイナミックかつエモーショナルなスタイリングを形成しています。

▲ソフトトップを閉めた状態のCLEカブリオレ200スポーツのリアスタイル

CLEカブリオレはこの美しいクーペボディをベースに、ルーフには遮音性と耐候性に優れたアコースティックソフトトップを採用。布製のソフトトップですが、室内のノイズレベルを大幅に抑制し、クローズ状態では室内の高い静粛性を実現しています。

▲センターコンソールに設置されたボタン操作でルーフの開閉操作が可能

またソフトトップの開閉は停車中だけでなく、時速60km/hまでならば走行中でも可能で、作動時間は20秒以内とスピーディなのが特徴です。昨今、増加傾向の急な天候変化でも、物理ボタンによる操作で素早くソフトトップを閉じることができます。

 

ルーフをオープンにした際には、フロントウインドウ上縁に装着された「ウインドウディフレクター」と、後席後ろの「ドラフトストップ」により構成される「エアキャップ」によって、空気の流れを上方に高く跳ね上げるとともに後方から室内への風の巻き込みを低減します。

▲CLEカブリオレ200スポーツのインストルメントパネル

インテリアでは、12.3インチと11.9インチの高解像度ディスプレイがコクピットを先進的かつ機能的に演出。インテリアの中央にレイアウトされたメディアディスプレイは、ソフトトップ開放時に日光の差し込む向きが変わることで生じる光の反射を防ぐため、傾きを電動で調整する機能を備えているのも特徴です。

▲フロントシートのヘッドレストの部分に吹き出し口がある

また、フロントシートに内蔵された「エアスカーフ」という機能により、首元を暖めることで外気温が低いときでも快適なオープンエアドライブを楽しむことができます。さらにフロントシートにはシートヒーターを装備。オプションのレザーエクスクルーシブパッケージを装着するとシートヒーター機能に加えて、シートベンチレーターが備わります。

 

また本革シートには、夏場の直射日光で熱くなりすぎないように太陽の赤外線を反射する特殊なコーティングが施されています。

▲6:4のリアシートのバックレストを倒すと長尺物も搭載可能

オープンカーのCLEカブリオレは、強化されたボディシェル構造により、同カテゴリーの中でも高い安全性を備えています。運転席前方のAピラーは剛性が高く、万が一の横転の際に生存スペースを確保することができます。また、後部座席用に新しく2つの独立したヘッドエアバッグを採用。衝突の影響を軽減するPRE-SAFE機能とエアバッグにより乗員を保護してくれます。

▲モーターが組み合わされた2L直4ガソリンターボエンジン

パワートレインは、最高出力204ps、最大トルク320Nmを発生する2L直列4気筒ターボエンジン。そこに9速ATが組み合わされます。エンジンとトランスミッションの間にISGと呼ばれるモーターを搭載し、短時間のみ、最大で23ps、205Nmの電動ブーストが可能。これにより滑らかで力強い加速性能を楽しむことができるのです。

▲オープンカーとは思えないほどの高いボディ剛性により、しなやかな走りが特徴

足回りには、しなやかで快適な乗り心地を実現するために減衰力を瞬時に高められるセレクティブダンピングシステムを採用したスポーツサスペンションを標準装備。ハードなコーナリング時など一定の負荷がかかった場合でも瞬時に減衰力を最適化してくれます。

 

さらに、オプションでダイナミックボディコントロールサスペンションも設定。路面状況やドライビングスタイルに応じて、セッティングを調整してくれるので、俊敏なハンドリングと快適な乗り心地を高次元で両立してくれます。

▲ルーフを閉めた状態のトランク容量は385Lを確保している

趣味性が高いと思われがちなオープンカーのCLEカブリオレですが、トランク容量は385L(ソフトトップを収納した状態では295L)を確保し、実用性を確保。さらに必要に応じて、6:4の分割可倒式リアシートのバックレストを倒すことで長尺物の搭載が可能です。

 

また、両手がふさがっているときでもリアバンパー下部に足を近づけるだけで、トランクを開けることのできるフットトランクオープナーを標準装備し、高い利便性を実現しています。

 

インフォテイメントまわりではルーティン機能の搭載やさらに使い勝手の良くなったメニューや音声認識などを搭載し、大幅に進化した第3世代のMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)を搭載しています。

 

新搭載されたルーティン機能は、日々の乗車中に行う操作の流れを「ルーティン」として組み立て、一定の条件を満たした場合に各種機能を作動させることで、ドライバーの車内での操作負担を軽減します。たとえば、「室内の温度が12℃以下になった場合、シートヒーターをオンにする」「アンビエントライトを暖かなオレンジにする」など、あらかじめいくつかのテンプレートが用意されているほか、ユーザー自ら独自のルーティンを作成することも可能です。なお、利用にはMercedes me IDと車両のペアリングが必要となります。

 

また、フロントウィンドウ内に設置されたカメラが捉えた周辺の映像にナビゲーション情報を重ねて表示するMBUX ARナビゲーションを標準装備。AR(拡張現実)を利用したナビゲーションシステムによって、メディアディスプレイ上のライブ映像を表示し、右左折が必要なタイミングが近づくと、ライブ映像上に矢印などの捕捉情報が表示されるため、ドライバーは直感的に判断することができます。

 

オープンエアをラグジュアリーな装備とともに快適に楽しめるCLE200カブリオレスポーツの車両本体価格は936万円。これまでのクラスを超えた充実した装備による快適性は注目です。気になった方はぜひ、宮園輸入車販売会社で実車をご確認ください。

 

(萩原文博)

萩原文博(はぎはら・ふみひろ)

 

AJAJ会員。大学在学中から中古車情報誌の編集部にアルバイトで参加。卒業後は編集者として企画立案し、ページ製作を行う。2006年からフリーランスエディター/ライターとして独立。2015年からは、新車カタログ本製作を担当し年間200台以上の新車試乗・撮影を行っている。

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