多くのプレミアムカーが採用するハイエンドオーディオブランドのサウンドシステム。メルセデス・ベンツでは「Burmester(ブルメスター)」のサウンドシステムを採用しています。生粋のオーディオマニアが聞くと「おお、Burmester!渋い!!」となりますが、普段スマホとイヤフォンで音楽を楽しんでいるライトな音楽好きだと、「Burmesterってどんなブランド?」と思うかもしれません。そこで今回は、メルセデス・ベンツが採用するBurmesterがどんなブランドなのかを紐解きます。
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クルマの中でいい音楽を楽しむのは至福のひととき
20代の頃、某車にオプション設定された高級オーディオがどうしても欲しくて中古車販売店を駆けずりまわった高橋です。
音楽好きにとって、いい音で好きな曲を聴くのは至福のひととき。ただし、高級オーディオは非常に高価。しかも設置するための広いスペースが必要になるので、自宅でいい音を楽しめるサウンドシステムを構築するのはかなりハードルが高くなります。
一方でクルマはスペースが限られるため、(家庭に比べると)いい音を出すためのシステムは組みやすくなります。しかも同居人や隣人への迷惑も気にしなくて大丈夫。そのため、昔からカーオーディオにこだわる人が多くいます。
もっとも、運転中はロードノイズやエンジン音、そして振動などが車内に入ってくるため、いい音を楽しむためにはノイズを消したり、振動対策を施す必要があります。
好きなカーオーディオを選ぶのは楽しいけれど、ノイズ対策や振動対策を施すのは大変。せっかく選んだオーディオも、その性能をフルに発揮するためのシステムを組むのはハードルが高いのが現実です。
そこで1990年代頃から自動車メーカーとオーディオメーカーが共同で車種専用に開発したハイスペックなオーディオを用意し、人気を博しました。それが高じて近年では世界的に有名なハイエンドオーディオブランドを採用する自動車メーカーが増えています。
“Art for the Ear”がBurmesterのスローガン

▲アルミ仕立てのスピーカーがBurmesterの存在を感じさせる
数あるハイエンドオーディオブランドがあるなか、メルセデス・ベンツが採用しているサウンドシステムは「Burmester(ブルメスター)」。Burmester Audiosysteme GmbHは1978年にドイツのベルリンで誕生しました。
設立したのはプロギタリスト・作曲家として活躍していたディーター・ブルメスター氏。氏は自分が使用していたオーディオ用アンプが故障したことをきっかけに、自身の理想となるアンプ製作に乗り出し、これがBurmester Audiosysteme GmbHの設立につながったといいます。
Burmesterでは“Art for the Ear”というブランドスローガンを掲げています。オーディオから放たれる音を芸術の域にまで高めることを目標に、世界のオーディオマニアに支持される製品を世に送り出してきました。2015年にブルメスター氏がこの世を去った後は、その遺志を受け継いだエンジニアたちがファンを魅了し続けています。
Burmesterのオーディオの特徴は、アノダイズド・アルミニウムを使用した美しいエクステリアデザインです。そのたたずまいはまるで古代ヨーロッパの神殿のよう。
価格は非常に高価で、高級オーディオを販売しているWEBサイトを見ると、2023年に発売されたリファレンス・ステレオパワーアンプ「218」は軽く700万円オーバー、フラッグシップモデルであるリファレンスCDプレイヤー「069+PSU」には1000万円近いプライスタグが付いていました。
多くの車種でBurmesterを採用

▲スポーツモデルで良質なサウンドを楽しむのも贅沢な時間だ(写真はメルセデスAMG GTクーペ)
2013年に日本導入されたSクラス(W222)では、13個のハイパフォーマンススピーカーと9チャンネルアンプによる計590WのオーディオシステムがS 400 HYBRIDを除く全車に標準装備され、S 400 HYBRID エクスクルーシブ、S 550 ロング、AMGモデルには24個のハイパフォーマンススピーカーと24チャンネルアンプによる計1540Wの5.1chサラウンドシステム「Burmesterハイエンド3Dサラウンドサウンドシステム」がオプション設定されました。
その後も、Burmesterのサウンドシステムは搭載車種を拡大。現在ではAクラスセダンとBクラスを除く全車に設定されています。ただ、設定状況は「全車標準装備」「パッケージオプション設定」「標準装備されるほか、オプションでBurmesterハイエンド3Dサラウンドサウンドシステムを選択可」など、車種やグレードにより変わってきます。

▲メルセデスAMG A 45 S 4AMTIC+はBurmesterサラウンドサウンドシステムが標準装備になる
たとえばAクラスコンパクトだと、メルセデス・ベンツブランドのA 180とA 200 d、メルセデスAMG A 35 4MATICには設定がなく、メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+はBurmesterサラウンドサウンドシステムが標準装備になります
参考までにメルセデス・ベンツブランドのSUVモデルでの、Burmesterの設定状況をまとめてみました(※メルセデスAMG除く)。
EQA |
アドバンスドパッケージ選択時にBurmesterサラウンドサウンドシステムを装備 |
EQB |
アドバンスドパッケージ選択時にBurmesterサラウンドサウンドシステムを装備 |
EQE SUV |
Burmester 3Dサラウンドサウンドシステムが標準装備 |
EQS SUV |
Burmester 3Dサラウンドサウンドシステムが標準装備 |
GLA |
オプション(Burmesterサラウンドサウンドシステム) |
GLB |
オプション(Burmesterサラウンドサウンドシステム) |
GLC |
GLC 220 d 4MATIC(ISG):レザーエクスクルーシブパッケージまたはAMGレザーエクスクルーシブパッケージ選択時にBurmester 3Dサラウンドサウンドシステムを装備 GLC 350 e 4MATIC Sports Edition Star:AMGレザーエクスクルーシブパッケージ選択時にBurmester 3Dサラウンドサウンドシステムを装備 |
GLCクーペ |
GLC 220 d 4MATIC Coupe(ISG):レザーエクスクルーシブパッケージまたはAMGレザーエクスクルーシブパッケージ選択時にBurmester 3Dサラウンドサウンドシステムを装備 GLC 350 e 4MATIC Coupe Sports Edition Star:AMGレザーエクスクルーシブパッケージ選択時にBurmester 3Dサラウンドサウンドシステムを装備 |
GLE |
標準装備(Burmesterサラウンドサウンドシステム) |
GLEクーペ |
標準装備(Burmesterサラウンドサウンドシステム) |
GLS |
標準装備(Burmesterサラウンドサウンドシステム) |
Gクラス |
標準装備(Burmester3Dサラウンドサウンドシステム) |
みなさんもぜひBurmesterのサウンドシステムで好きな音楽を高音質で楽しみながら、気持ちのいい時間を過ごしてみてください。その前に、芸術的なサウンドとはいかほどか、宮園輸入車販売の試乗車でご体験いただくのもけっこうです。
(高橋 満)
高橋満(たかはし・みつる)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経て1999年にエディター/ライターとして独立し、自動車、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。最近はゴルフに興味が出てきていて(まだデビュー前ですが)、Eクラスステーションワゴンのようなラゲッジが広くて快適に移動できるクルマに興味津々。
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