2025.12.04

保管場所に困るスタッドレスタイヤをお預かり「タイヤ保管サービス」

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降雪地域に住んでいたり、ウィンタースポーツを楽しんだりする人は、毎年冬になる前にスタッドレスタイヤに履き替えるはず。その際、ノーマルタイヤ(サマータイヤ)はどのように保管していますか? 宮園輸入車販売のメルセデス・ベンツ正規ディーラーの店舗では、履き替えたタイヤを専用の倉庫で保管するサービスをご提供しているのです。

 

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マンション住まいだと外したタイヤの置き場がない…

秋が深くなり、そろそろスタッドレスタイヤを買わないと…と考えている高橋です。

 

クルマは数万点におよぶ部品を使って組み立てられていますが、その中でタイヤは路面に直接触れている唯一の部品です。だからこそ外部環境や路面状況に適したものを選び、溝が少なくなってきたら早めに交換することが重要。

 

そしてもうひとつ大切なのが、適切に管理することです。

 

クルマを買った時にはノーマルタイヤ(サマータイヤ)を履いています。ノーマルタイヤは乾いた路面や雨で濡れた路面で性能を発揮します。一方で雪の上ではグリップ力がなく、まったく走ることができません。

 

そのため、冬になるとスタッドレスタイヤに履き替えます。雪国に住んでいる人はもちろん、東京をはじめとする関東でも雪が積もることがあるのでスタッドレスタイヤに履き替えておくことをおすすめします。

 

ただ、スタッドレスタイヤに履き替えると、ひとつ大きな問題が発生します。

 

それはクルマから外したノーマルタイヤの置き場…。クルマに装着していると感じませんが、タイヤは意外に大きく、しかもホイールがついているとかなり重いんですよね。自宅に広いガレージがあれば置き場に困ることはないですが、マンション暮らしだったり、戸建てでもスペースに余裕がなかったりすると、本当に困ります。

 

そんな人たちにぜひ利用してもらいたいのが、タイヤ保管サービスです!

 

これは文字通り、履き替えたタイヤとホイールを専用の倉庫で預かるもの。マンション住まいでもタイヤの置き場に困らない、便利なサービスです。このタイヤ保管サービスはメルセデス・ベンツ正規販売店の宮園輸入車販売でもおこなっています。では、具体的にどのようなサービスなのかチェックしてみましょう。

 

今回は、メルセデス・ベンツ中野サーティファイドカーセンターのサービスマネージャーである吉田裕一さんにお話をうかがいました。

 

吉田さん(以下、吉田):ゴム製品であるタイヤはコンディションが保たれているものを履くことで、はじめて性能を発揮します。なので保管方法がとても重要になります。タイヤにとって大敵なのが紫外線と水(雨)。そのため屋内で保管することが基本です。弊社ではタイヤの保管に精通した倉庫会社様と契約して、お客様の大切なタイヤをお預かりしております。

交換の予約は10日前までにおこないたい

▲タイヤの交換依頼は特定の季節に集中するので、早めの予約がおすすめ

スタッドレスタイヤに履き替える人の多くが利用しているこのサービス。その利用方法を紹介します。

 

■交換希望日をディーラーに連絡

クルマをディーラーに持っていける日をディーラーに連絡し、来店日時の予約をします。タイヤは倉庫から運んでくるため、交換作業を行う10日ほど前には予約しましょう。つまり、「明日雪が降りそうだから今から交換して」というリクエストには対応できないのでご注意。

 

また、ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤへの履き替えは晩秋から初冬、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへの履き替えは春に集中します。そのため直前で連絡しても予約が埋まっているケースがあるかもしれません。スケジュールに余裕をもって予約することをおすすめします。

 

■予約した時間に来店

予約日時に来店したら、店舗で交換作業をおこないます。作業時間は1時間ていど見ておきましょう。

17インチと18インチのタイヤなら保管料は3万4100円

▲大きくて重たいタイヤを保管するので利用料は高そうだが、意外とリーズナブルに利用できる

ではこのサービスはいくらくらいで利用できるのでしょうか。

 

吉田:利用料金はタイヤサイズにより変わってきます。17インチと18インチのタイヤは年間3万4100円で、19インチ以上のタイヤは年間3万6300円となります。(2025年11月現在)

 

ここには倉庫での保管費用と、ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤへの履き替え時、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへの履き替え時のタイヤの輸送費が含まれます。こちらに加えて、タイヤの交換費用とタイヤ空気圧のリセット費用が別途必要になります。この2つは車種によって金額が変わってくるので、店舗にお問い合わせください。

 

自分でトランクルームを借りてタイヤを保管するとしたら、エリアや保管環境にもよりますが都内だと最低でも月5000〜6000円ていどはかかるもの。そして購入店舗やガソリンスタンドなどにタイヤ交換を依頼すれば作業料がかかります。

 

タイヤのコンディションを保ちながら保管してもらうのでもっと高いかと思っていましたが、かなりリーズナブルなので驚きました。

タイヤはホイールとセットでの履き替えを推奨

▲自宅ではタイヤにとって大敵である紫外線と風雨を避ける形で保管しよう

最後に、スペースがあるので自分でタイヤを保管しようと考えている人のために、吉田さんから正しい保管方法を教えてもらいました。

 

■タイヤは屋内保管が鉄則

前述したように保管しているタイヤにとって紫外線と水は大敵! そのため屋内での保管をお願いしたいですね。タイヤカバーをして庭に置いたり、屋外の物置で保管したりする方もいると思いますが、雨風にさらされないか、さらされなくても湿気が中に入らないかなども確認してください。

 

■タイヤは寝かせて重ね置きする

タイヤはゴム製なので柔らかく、かつ重たいもの。タイヤのトレッド面(地面に触れる面)がポールに載る縦置きタイプのタイヤラックなどで長期間保管すると、ポールに載っているトレッド面がタイヤとホイールの重みで変形し、振動などの原因になってしまいます。

 

タイヤ保管時はタイヤを寝かせ、トレッド面に負荷をかけないようにしましょう。積み重ねる場合はタイヤとタイヤの間に段ボールなどを挟むことでホイールが傷つくことを防止できます。

 

■タイヤはホイールとセットで履き替えるのが基本

ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤへの交換時に、ノーマルタイヤをホイールから外してスタッドレスタイヤを付ける人もいます。ただ、吉田さんはこの方法はおすすめしないとのこと。この方法はタイヤの組み替えと呼ばれますが、専用の機械を使ってタイヤに大きな力をかけてホイールから取り外すので、タイヤへの負担がかなり大きくなってしまうのだそうです。

 

冒頭でもお伝えしたように、タイヤは路面に触れる唯一の部品。タイヤの状態でクルマの乗り心地や安全性は大きく変わります。しかも意外と大きくて重たいので、シーズンオフのタイヤを保管するのはわりと大変。そもそもタイヤを保管するスペースを確保するのも難しいものです。タイヤに適した環境で大切に保管してくれるタイヤ保管サービスをぜひ利用してみてください。

 

(高橋 満)

高橋満(たかはし・みつる)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経て1999年にエディター/ライターとして独立し、自動車、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。最近ゴルフデビューをして、Eクラスステーションワゴンのようなラゲッジが広くて快適に移動できるクルマに興味津々。

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